特集 放射線治療―最近の話題―
小児がんの放射線治療
副島 俊典
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1兵庫県立がんセンター 放射線治療科/兵庫県立こども病院 放射線治療科
キーワード:
小児癌
,
放射線治療
,
神経芽腫
,
Wilms腫瘍
,
横紋筋肉腫
,
Ewing肉腫ファミリー腫瘍
Keyword:
小児癌
,
放射線治療
,
神経芽腫
,
Wilms腫瘍
,
横紋筋肉腫
,
Ewing肉腫ファミリー腫瘍
pp.1635-1645
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000184
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小児がんの治療は集学的治療が行われることが多く,その中で放射線治療は重要な位置づけにある。しかし,希少疾患であるため,放射線治療医にとってなじみの少ない領域である。小児がんは全国で年間2,000 人から2,500 人といわれ,小児人口100 万人あたり90 人から130 人の罹患率であり,成人の癌と比べ約1/200 と少ない。そのうえ,小児がんは成人の癌と違う組織型が多く,同じ組織型であっても,治療法や治療効果が成人と異なっている場合も多い。例えば横紋筋肉腫の場合,成人の横紋筋肉腫患者は多形型の発生率が高いが(19%),多形型の組織像は横紋筋肉腫の小児および若年成人では極めてまれである。また,成人では小児よりも腫瘍が予後不良部位に発生する可能性が高く,小児および若年成人発症の場合に比べて予後不良である(図1)1)。このような病態が放射線治療医にますます敬遠したくなる領域になってしまうところである。
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