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高度炎症を伴う急性胆嚢炎や,その保存的加療後の慢性胆嚢炎症例では,胆嚢壁の炎症性変化や線維瘢痕化によって正常な剥離層が消失し,胆道損傷のリスクが高い胆嚢摘出術,いわゆるdifficult gallbladderとなる。このような困難症例に対してTokyo guideline 2018(TG-18)では胆道損傷予防の目的で,bailout procedure,いわゆる回避手術を検討することが推奨されるようになった1)。TG-18に記載されたbailout procedureのなかでもとりわけ臨床的意義の大きいものは胆嚢亜全摘とそれに続くreconstitutingとfenestratingであり,以下,本稿ではこれらをひとまず“狭義の”bailout procedureとしておく。これらの手技は腹腔鏡下胆嚢摘出術に携わる外科医のclinical practiceに新たな選択肢を提示し,現在世界的にも急速に普及しつつある。ただ,実際にはdifficult gallbladderであってもbailout procedureが必要になるのはその一部であり,各外科医がさまざまな工夫を凝らして胆嚢全摘を完遂することのほうが多いのではないだろうか。また困難症例に対してどのように胆嚢全摘を目指して手技を遂行していくのか,そのストラテジーが定まっていないと,必然的にbailout procedureは“行き当たりばったりの処置”にならざるを得ない。また,本稿の最後に示すように,胆嚢壁を意図的に遺残させることにはそれ特有の問題も生じ得る。このような理由から,本稿ではあえて“困難症例に対して腹腔鏡下に胆嚢全摘を行う”場合の手術手技,およびその際に注意すべき点について解説する。

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