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特集 肝・胆・膵領域における腹腔鏡下手術の最前線
胆道領域
困難例に対する腹腔鏡下胆囊摘出術
How to manage difficult cases in laparoscopic cholecystectomy
加納 宣康
1
,
草薙 洋
1
,
三毛 牧夫
1
,
山田 成寿
1
,
渡井 有
1
Nobuyasu KANO
1
1亀田総合病院外科
キーワード:
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
困難例
,
術中副損傷
,
超音波凝固切開装置
,
腹腔鏡下胆囊摘出術のコツ
Keyword:
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
困難例
,
術中副損傷
,
超音波凝固切開装置
,
腹腔鏡下胆囊摘出術のコツ
pp.781-789
発行日 2008年6月20日
Published Date 2008/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102154
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要旨:腹腔鏡下胆囊摘出術は広く普及しているが,その困難例への対応は依然として難しい.本稿では困難例における腹腔鏡下胆囊摘出術の手術手技を詳述する.①緊満した胆囊ではまず内容を穿刺・吸引する,②剝離の開始点は頸部に捉われず剝離しやすいところから始める,③胆囊頸部からカローの三角にかけての癒着ないしは線維化が高度でオリエンテーションがつきにくい場合は,早めに胆囊近くで胆道造影を施行し,その段階での剝離部位および3管合流部までの間隔を把握する,④合流部結石例ではその直上で胆管を切開して結石を除去し,胆管を縫合閉鎖する.以上の操作も無理な例では,⑤胆囊の内腔を見ながら剝離を進め,時には胆囊のunroofingまたは亜全摘を施行する,⑥高度な癒着剝離には超音波凝固切開装置が有用である,⑦高難度例では2名の熟練者による両サイドからの手術操作をする.以上の対応策を用いてもなお困難な例では,タイミングを失することなく開腹へ移行する.
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