手術手技
食道胃接合部癌に対する下部食道切除後の胸腔内吻合と回結腸間置による噴門部再建術
藤原 尚志
1
,
春木 茂男
2
,
小郷 泰一
1
,
滋野 高史
1
,
川田 研郎
1
,
徳永 正則
1
,
絹笠 祐介
1
1東京科学大学消化管外科学分野
2がん・感染症センター都立駒込病院食道外科
キーワード:
食道胃接合部癌
,
術後逆流性食道炎
,
胸腔内吻合
Keyword:
食道胃接合部癌
,
術後逆流性食道炎
,
胸腔内吻合
pp.1101-1110
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004503
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近年,日本人の生活の欧米化による肥満およびGERD(gastro esophageal reflux disease)の罹患率増加などと相関して,わが国で食道胃接合部腺癌が増加している。しかし,多様な局在を示す食道胃接合部癌に対する根治手術の至適な定型術式は定まっておらず,組織型が扁平上皮癌の際には食道亜全摘を選択されることが多く,腺癌の場合には食道浸潤長に応じて可能なかぎり経腹的な手術が選択されることが多い。これまで報告されたわが国における大規模観察研究では,食道胃接合部腺癌の縦隔リンパ節転移頻度は,食道浸潤長に依存するとされており,食道浸潤長2.0 cm未満では縦隔リンパ節転移は少なく,2.0 cm以上4.0 cm未満では下縦隔リンパ節転移頻度が上昇して,また4.0 cm以上では上縦隔リンパ節転移頻度が上昇するとされている1)。そのため当科では上記に基づき,食道浸潤長に応じて,2.0 cm未満は噴門側胃切除術,2.0 cm以上4.0 cm未満は下部食道切除術,4.0 cm以上は食道亜全摘術を適応としている。

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