特集 ロボット支援大腸癌手術の術野展開—エキスパートに学ぶ手術の極意
ロボット支援大腸癌手術における術野展開の特徴─ロボット特有のピットフォールを含めて
隈本 雄大
1
,
塚本 俊輔
1
,
永田 洋士
1
,
髙見澤 康之
1
,
森谷 弘乃介
1
,
金光 幸秀
1
1国立がん研究センター中央病院大腸外科
キーワード:
ロボット支援手術
,
大腸癌
,
術野展開
Keyword:
ロボット支援手術
,
大腸癌
,
術野展開
pp.131-138
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004262
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わが国では,2018年に直腸癌,2022年に結腸癌に対するロボット支援手術が保険収載され,急速に症例数が増加した。保険収載後,長らくIntuitive Surgicalのda VinciⓇ Surgical systemTMがロボット支援手術で用いられていたが,Medicaroidの国産手術支援ロボットhinotoriTM Surgical Robot System(以下,hinotori)や米国MedtronnicのHugoTM RAS System(以下,Hugo)など,現在では複数のロボットがわが国の手術診療に使用されており,今後もロボット支援手術が増加していくと思われる。また,従来は日本内視鏡外科学会の技術認定取得後にロボット支援手術を始めることが多かったが,術者条件が2022年より緩和されたため,今後は若手医師の執刀が増えることが予想される。ロボット支援手術は腹腔鏡手術よりラーニングカーブが短い点も利点として報告されているが1),ロボット支援手術はカメラ操作を含め,4本のアームを術者1人で操作する必要があり,腹腔鏡手術と比べ,術野展開に苦慮することも多い。
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