手術症例報告
腹部銃創による下大静脈損傷の1例
池田 知也
1
,
水谷 久紀
1
,
永井 健
1
,
菅野 優貴
1
,
岩﨑 喜実
1
,
上田 和光
1
1筑波記念病院消化器外科
キーワード:
腹部銃創
,
下大静脈損傷
,
戦傷外傷
Keyword:
腹部銃創
,
下大静脈損傷
,
戦傷外傷
pp.873-876
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003868
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わが国では銃器の所持は厳しく規制されており,銃器による外傷の発生はまれである。それゆえ多くの医師は銃創症例に対する治療経験が少ない。一方,下大静脈損傷は,早期から出血性ショックに陥る重篤な損傷であり,腹部救急疾患のなかで最も治療困難なものの1つである1)。下大静脈損傷は部位により,①肝上部(suprahepatic),②肝後面(retrohepatic),③腎上部(suprarenal),④腎部(renal),⑤腎下部(infrarenal)に分けられ2),適切な戦略を選択することが必要となる。紛争地では,限られた医療資源のなかで治療を行わなければならず,十分な術前精査が施行できないことが多い。
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