特集 必携 ロボット支援下消化器外科手術―基本手技とトラブルシューティング
Ⅳ.肝胆膵領域 4)低~中悪性腫瘍に対する微細解剖に沿ったロボット支援膵体尾部切除の手術手技
森本 守
1
,
松尾 洋一
1
,
加藤 知克
1
,
今藤 裕之
1
,
齊藤 健太
1
,
瀧口 修司
1
1名古屋市立大学消化器外科
キーワード:
膵腫瘍
,
膵体尾部切除
,
ロボット支援手術
Keyword:
膵腫瘍
,
膵体尾部切除
,
ロボット支援手術
pp.1249-1258
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003427
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近年,膵体尾部切除術(distal pancreatectomy;DP)にもロボット支援手術が導入され,徐々に増加している。2003年にロボット支援下膵体尾部切除(robotic distal pancreatectomy;RDP)が初めて報告され1),以降,いくつかの報告が散見される。腹腔鏡下膵体尾部切除(laparoscopic distal pancreatectomy;LDP)に比較したRDPの有用性は,術者へのストレスの少なさ2),脾臓温存率の高さ3),開腹移行率の低さ4)などと報告されているが,一方でコストの高さについての報告もある5)。現時点では,RDPの有用性について一定のコンセンサスが得られていない状況であるが,われわれは膵体尾部切除に対するロボット支援手術の有用性に着目し,2018年より臨床研究として積極的に導入してきた。ロボットシステムの利点として,手ブレのない安定した視野,10倍の拡大視効果,3Dの高精細画像,多関節機能,動作制限の少なさなどが挙げられる。
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