特集 胆管再建を見直す
成人総胆管拡張症に対する胆管空腸吻合
芳賀 淳一郎
1
,
石亀 輝英
1
,
小船戸 康英
1
,
木村 隆
1
,
見城 明
1
,
丸橋 繁
1
1福島県立医科大学肝胆膵・移植外科学講座
キーワード:
成人総胆管拡張症
,
胆管空腸吻合
Keyword:
成人総胆管拡張症
,
胆管空腸吻合
pp.329-333
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003197
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成人の先天性胆道拡張症(以下,本症)は膵・胆管合流異常による胆道内への膵液の曝露で胆道癌が発生しやすく,その発生率は21.6%といわれており1),日本人の胆道癌罹患率(0.0141%)に比べてはるかに高いため,診断が確定すれば早期に手術を行うべきである2, 3)。本症に対する手術は,膵・胆管合流異常の診療ガイドラインによると,拡張胆管内に癌発生が高率に起こるため,胆囊を含めた拡張胆管切除が基本術式とされている4)。基本的に発生母地を切除する意味で肝外胆管切除を行うため,膵側胆管切除は可能なかぎり胆管を残さないように膵管との合流部直上で切離する。しかし,上流胆管の拡張部が肝内胆管に及ぶ場合は切除範囲をどこまでとするかの明確なデータはない。
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