手術手技
上腸間膜動脈へ接触する膵癌における上腸間膜動脈根部遮断の有用性
金田 広志
1
,
吉岡 伊作
1
,
櫻井 太郎
1
,
五十嵐 隆通
1
,
渋谷 和人
1
,
藤井 努
1
1富山大学学術研究部医学系消化器・腫瘍・総合外科
キーワード:
UR-LA膵癌
,
Mesenteric approach
,
Conversion手術
Keyword:
UR-LA膵癌
,
Mesenteric approach
,
Conversion手術
pp.135-139
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003126
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膵癌は,画像診断が進歩している今日においても診断時すでに遠隔転移や局所進行状態で発見され,半数以上が治癒切除対象とならず予後不良な疾患である1)。しかし,近年,こうした切除不能膵癌に対してFOLFIRINOX療法やGEM+nab-paclitaxel療法など有望な抗癌剤レジメンが相次いで発表され,治療効果も改善してきている2, 3)。診断時切除不能に分類される進行膵癌症例のなかには,化学(放射線)療法が効果を示したあとに非手術療法から手術治療に“convert”する,いわゆるconversion手術を行う症例も存在する。抗癌剤の発達とともにこうした症例は今後増加していくものと見込まれ,有望視されている4-6)。Conversion手術やborderline resectable膵癌に対する手術などの高難度症例では上腸間膜動脈(superior mesenteric artery;SMA)と接触をしているものが含まれ,剥離の際には通常の膵癌切除より出血のリスクが高く,かつ止血に難渋することが多い7)。
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