手術症例報告
特発性食道破裂に対し,経口内視鏡併用,腹腔鏡下食道修復術を施行し,救命した1例
菊池 聡
1
,
吉田 素平
1
,
古賀 繁宏
1
,
山本 安則
2
,
恵木 浩之
1
,
渡部 祐司
1
1愛媛大学医学部附属病院消化管腫瘍外科
2愛媛大学医学部附属病院第三内科
キーワード:
特発性食道破裂
,
内視鏡外科手術
,
LECS
Keyword:
特発性食道破裂
,
内視鏡外科手術
,
LECS
pp.111-115
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002585
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
特発性食道破裂(Boerhaave’s syndrome)は,激しい嘔吐,出産,咳や喘息発作などが誘因となり,食道の急激な内圧上昇により,食道壁全層に裂創を生じ穿孔するまれな疾患であり,1724年にオランダの医師Hermann Boerhaaveによって初めて報告された。典型的な症状がなく,早期診断が困難な場合があり,治療介入の開始が遅れる場合もしばしばある。治療の開始が遅れた場合は,敗血症から多臓器不全となり,致命的となることがある。従来,特発性食道破裂に対しては外科治療が原則であったが,近年,抗菌薬や集中治療の発展により保存的治療の成功例,あるいはドレナージのみでの治療成功例の報告が散見されるが,保存的治療と外科治療どちらが優れているかの臨床試験はなく,治療方針は患者の状態や施設ごとの治療方針やマンパワーなどによって決められているのが現状であると思われる。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.