手術手技
残胃早期胃癌に対する腹腔鏡手術の手術手技
和田 剛幸
1
,
吉川 貴己
1
1国立がん研究センター中央病院胃外科
キーワード:
残胃癌
,
腹腔鏡手術
Keyword:
残胃癌
,
腹腔鏡手術
pp.1977-1983
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002541
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残胃癌に対する腹腔鏡手術の報告は少ない。前回の胃切除によって形成された癒着剥離が必要であり,開腹手術が選択されることが多い。しかし,近年の内視鏡外科手術の技術向上とデバイスの進歩は目覚ましく,より精緻で安全な内視鏡外科手術操作が可能となっている。腹腔鏡手術による癒着剥離技術も同様に向上している。当院では数年前よりcT1N0M0の残胃早期胃癌に対して腹腔鏡手術を選択している。残胃進行癌に対しては,原発巣の他臓器浸潤なのか,癒着なのか判断が困難な状況も想定され,触覚による診断も利用して切離ラインを決定するため,開腹手術を選択している。腫瘍学的な手術適応では,早期胃癌に対する腹腔鏡手術の有用性を外挿して適応としているが,長期成績は今後の調査課題である1-3)。残胃早期胃癌に対する腹腔鏡手術の有用性について,その短期成績と実際の手術手技を記述する。
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