特集 消化器・一般外科におけるCommon Diseaseの手術 エルステから高難度まで
Ⅱ 肛門疾患手術 10 直腸脱に対する腹腔鏡手術─とくに直腸前方固定術(LVR)に関して
野明 俊裕
1
,
荒木 靖三
1
,
的野 敬子
1
,
小篠 洋之
1
,
松本 朝子
1
,
松岡 功治
1
1高野会 くるめ病院
キーワード:
直腸脱
,
直腸固定
,
腹腔鏡
Keyword:
直腸脱
,
直腸固定
,
腹腔鏡
pp.533-538
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002154
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直腸脱に関しては,さまざまな術式が存在し,各施設が精通している術式を行っている。また,再発率は術式間の優越性に関して一定の見解が得られていない1)。一方,直腸脱は高齢女性に多く2),子宮脱や膀胱瘤,小腸瘤,直腸瘤などの骨盤臓器脱を併発することが多い3)。われわれは女性の骨盤臓器脱の一部に対応するため,2013年3月から直腸前方固定術(laparoscopic ventral rectopexy;LVR)を導入し,2020年5月までに163例を経験してきた。LVR導入当初は前方から肛門挙筋を確認するまで剥離を行ったものの,縫合は直腸Rb前壁のみにとどめていた。しかし,後期では直腸の固定をより低位で確実に行う目的で肛門挙筋にメッシュを縫合し,さらに直腸RaがRbに重積しないようにRaの縫合も追加するようになった。
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