特集 内視鏡外科手術に必要な局所解剖─結腸・直腸
腹腔鏡下S状結腸切除術に必要な局所解剖
衛藤 謙
1
,
武田 泰裕
1
,
小菅 誠
1
,
根木 快
1
,
菅野 宏
1
,
池上 徹
1
1東京慈恵会医科大学外科学講座
キーワード:
S状結腸
,
腹腔鏡
,
局所解剖
Keyword:
S状結腸
,
腹腔鏡
,
局所解剖
pp.1821-1827
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001973
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左側結腸癌は頻度が多く,大腸外科医だけではなく一般消化器外科医にとっても,手術をする機会が多い疾患である。開腹手術が中心であった時代は,外側アプローチが一般的であった。S状結腸の生理的癒着の剥離から始まり,そのままToldt’s fusion fasciaの剥離,あるいは腎筋膜前葉を背側に確認しながら,S状結腸間膜を授動することは,手順としては比較的容易であった。その理由の1つとして,手術で始めにとりかかる部位のlandmarkが,容易に同定可能なS状結腸の生理的癒着部だからである(図1)。最初の時点で正しい剥離層に入れるため,丁寧に手術を行えば大きく層からはずれることはない。
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