総特集 消化器・一般外科手術における感染対策・周術期管理
Ⅰ.総論 1)外科医に欠かせない感染制御─抗菌薬の適正使用を中心に
朝野 和典
1
1大阪大学医学部附属病院感染制御部
キーワード:
周術期感染予防
,
適正抗菌薬使用
,
ガイドライン
Keyword:
周術期感染予防
,
適正抗菌薬使用
,
ガイドライン
pp.1653-1660
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001931
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外科手術に伴う感染症は,術創における局所感染症と,手術侵襲によって起こる全身感染症に分けられる。前者は,術創感染(surgical site infection;SSI)であり,一定の確率で起こり,かつ原因となる微生物の頻度は疫学的情報からある程度予測可能である。後者は,カテーテル関連血流感染や院内肺炎など偶発的な発症のため,発症時期や原因微生物の予測が難しい感染症である。それぞれの感染症の予防のためには,適切なプラクティスが定められているが,抗菌薬による予防の効果にエビデンスがあるのは前者のみである。
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