Japanese
English
綜説
泌尿器科領域における抗菌薬適正使用
Guidelines for antimicrobial treatment of infections in urology
山本 新吾
1
,
上田 康生
1
,
樋口 喜英
1
Shingo Yamamoto
1
,
Yasuo Ueda
1
,
Yoshihide Higuchi
1
1兵庫医科大学泌尿器科
キーワード:
単純性尿路感染症
,
無症候性細菌尿
,
カテーテル関連尿路感染症
,
周術期感染症
,
ガイドライン
Keyword:
単純性尿路感染症
,
無症候性細菌尿
,
カテーテル関連尿路感染症
,
周術期感染症
,
ガイドライン
pp.191-197
発行日 2010年3月20日
Published Date 2010/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101909
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要旨 尿路感染症は,市中感染症および院内感染症のいずれにおいても日常的に遭遇する疾患である。一般に尿路感染症は,単純性尿路感染症と複雑性尿路感染症に分類される。単純性尿路感染症は比較的容易に治療が可能であると考えられているが,近年はキノロン耐性大腸菌やESBL産生菌のような薬剤耐性菌の増加に伴い,単純性尿路感染症といえども治療に難渋する症例が散見されるようになってきている。複雑性尿路感染症は,カテーテルなどの尿路異物を伴う場合や,尿路結石などの尿路閉塞に伴う場合などがあり,それぞれ個々に対応する必要がある。その一方,積極的な治療の必要性については,症候性か無症候性か,急性か慢性かということも十分に考慮しなければ,不十分な治療に終わるばかりでなく,耐性菌の誘導により患者にとってより不利益な状態を導きだすことにもなりかねない。周術期における抗菌薬投与おいても同様で,漫然とした長期投与は多剤耐性菌による重篤な術後感染症の誘因となるため,適正な短期の使用が望まれる。本稿では,単純性尿路感染症,無症候性細菌尿,カテーテル関連尿路感染症(CAUTI),周術期感染症を中心に,泌尿器科医として知っておくべきこれらの国内外のガイドラインを解説する。
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