手術症例報告
両側尿管皮膚瘻を有するS状結腸癌患者に,蛍光尿管カテーテルを用いてS状結腸切除術を行った1例
佐藤 広陸
1
,
加藤 健志
1
,
三宅 正和
1
,
植村 守
1
,
平尾 素宏
1
,
関本 貢嗣
1
1国立病院機構 大阪医療センター下部消化器外科
キーワード:
Infrared illumination system
,
尿管皮膚瘻
,
腹腔鏡下大腸切除術
Keyword:
Infrared illumination system
,
尿管皮膚瘻
,
腹腔鏡下大腸切除術
pp.1375-1378
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001354
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症例は80代女性,既往歴として膀胱癌に対して200X年に膀胱全摘術+両側尿管皮膚瘻造設+子宮・付属器・虫垂合併切除を施行された。201X年5月に血便を主訴に来院され,精査の結果S状結腸癌(cT3N0H0P0M0 Stage Ⅱ)の診断で手術予定となった。手術は腹腔鏡下S状結腸切除術+D3郭清を行ったが,蛍光カテーテル(Infrared illumination system;IRIS)を尿道口より挿入して,術中尿管の位置を適宜確認しながら手術を進めることとなった。通常のシングルJカテーテルでは尿管を視認することが不可能であり,また,腹腔鏡手術では触覚を頼りに手術することが開腹手術に比べ難しく,尿路変更術後症例では尿管の同定は困難である。蛍光カテーテルを挿入することにより尿管の位置を視認することが可能となり,本症例のような尿管の確認には有用である。術中写真を提示し,その有用性について報告する。
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