手術手技
腹腔鏡下左尾状葉切除の手術手技
海津 貴史
1
,
隈元 雄介
1
,
田島 弘
1
,
永 滋教
1
,
西澤 伸恭
1
,
渡邊 昌彦
1
1北里大学病院外科
キーワード:
腹腔鏡下肝切除
,
尾状葉切除
,
Spiegel葉
Keyword:
腹腔鏡下肝切除
,
尾状葉切除
,
Spiegel葉
pp.1099-1104
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001270
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われわれは2018年11月までに400例の腹腔鏡下肝切除を経験したが,そのうち尾状葉切除(すべて部分切除)は14例(3.5%)と少数であった。開腹移行を2例(14.3%)に認め,尾状葉切除を除く腹腔鏡下肝切除の開腹移行率4.1%と比較すると明らかに高く(当科データ),実際,尾状葉切除はその解剖学的困難性から腹腔鏡手術の適応外とする施設もある。その一方,尾状葉切除は腹腔鏡手術特有のcaudal viewが最も有効な術式ともいえる。尾状葉切除でも尾状葉全切除か部分切除か,また同じ部分切除でもSpiegel部か下大静脈部か突起部かによって術式の難度が大きく変わってくる。経肝アプローチによる腹腔鏡下尾状葉全切除術が報告されているが1),これはごくかぎられたhigh volume centerでのみ行われるべき高難度な術式で一般的ではない。Spiegel部や突起部の部分切除は,下大静脈部と比較するとアプローチしやすく腹腔鏡下肝切除の良い適応である。
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