特集 高度進行消化器癌に対する手術
Ⅰ 上部消化管 1 大血管浸潤高度進行食道癌に対する手術
山﨑 誠
1
,
田中 晃司
1
,
牧野 知紀
1
,
土岐 祐一郎
1
1大阪大学消化器外科
キーワード:
局所進行食道癌
,
大血管浸潤
,
血行再建
Keyword:
局所進行食道癌
,
大血管浸潤
,
血行再建
pp.373-378
発行日 2019年3月31日
Published Date 2019/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001123
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日本食道学会の全国集計では食道癌と診断された患者の約15%が周囲臓器浸潤(T4)と報告されている。なかでも,大血管への浸潤は気管・肺に次いで3番目に多く,食道癌の日常診療において少なからず経験すると思われる。一般的に,大血管に浸潤した食道癌は根治切除不能な食道癌とみなされている。近年の化学療法や化学放射線療法の進歩により,down stageが得られて合併切除を回避できる症例や完全奏効となり手術そのものを回避できる症例も存在するが,大血管浸潤が解除できなかった症例においては,大血管合併切除を伴う切除術が唯一根治を目指すことのできる治療法となる。一方,術中の損傷や術後の合併症は致死的な経過をたどることもあるため,外科医の技量,判断力が問われる。
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