特集 誌上ディベート肝胆膵外科におけるcontroversial surgery
6.門脈に近接した剥離可能な膵頭部癌に対する門脈合併切除
木村 大輝
1
,
鈴木 裕
2
1富山大学大学院医学薬学研究部消化器・腫瘍・総合外科
2杏林大学医学部外科 消化器・一般外科
pp.331-331
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001096
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膵頭部癌はその解剖学的特徴から門脈系への浸潤を認めることが少なくない。門脈合併切除症例においては,動脈浸潤や剥離面陽性などの所見がなければ予後が期待できるという報告も散見される。膵癌は腫瘍境界が明確ではないことも多く,術前画像診断で門脈に近接する膵癌が,炎症性変化などを除外して,確実な腫瘍浸潤の有無を評価することが難しい。膵癌治療においてR0手術が重要であり,切除断端陽性となり得る操作は避けるべきである。すなわち,門脈に近接した膵頭部癌で,門脈浸潤を確実に否定できない状況においては,確実なR0を達成するために門脈合併切除を行うことは腫瘍学的に妥当であると考える。
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