増刊号 消化器・一般外科手術のPearls&Tips—ワンランク上の手術を達成する技と知恵
⑨膵臓
膵頭十二指腸切除(門脈合併切除を含む)
尭天 一亨
1
,
水野 修吾
1
,
出崎 良輔
1
,
種村 彰洋
1
,
栗山 直久
1
,
安積 良紀
1
,
伊佐地 秀司
1
Kazuyuki GYOTEN
1
1三重大学肝胆膵・移植外科
pp.225-233
発行日 2015年10月22日
Published Date 2015/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210958
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膵頭十二指腸切除術(PD)は,1935年にWhippleらが報告して以来,様々なアプローチ方法,血管合併切除・再建法,消化管再建方法などの改良を加えながら確立されてきた.しかしながら,術後合併症発生率は40%(特にGrade B,Cの膵液瘻の発生率は13.2%),術後30日以内の死亡率は1.2%,入院死亡率は2.8%と,他の消化器外科手術と比較していずれも高いのが現状である1).特に,局所進行膵癌では,血管合併切除を伴った拡大手術が必要となることが多いが,血管走行や癌の進展範囲によっては,術者の多彩な経験や高い技術が要求される.また,PD特有の合併症として膵液瘻が挙げられるが,それを回避すべく各施設で様々な取り組みが行われている.
本稿では,PDにおける血管処理,膵空腸吻合におけるバリエーションをいくつか提示し,標準術式とともにその対策について解説する.
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