合併症ゼロを目指した最新の低侵襲内視鏡外科手術
Ⅴ 膵臓・脾臓 2 膵液瘻に対する予防法と現状
岡村 行泰
1
,
杉浦 禎一
1
,
伊藤 貴明
1
,
山本 有祐
1
,
蘆田 良
1
,
上坂 克彦
1
1静岡県立静岡がんセンター肝胆膵外科
キーワード:
腹腔鏡下膵体尾部切除
,
膵液瘻
Keyword:
腹腔鏡下膵体尾部切除
,
膵液瘻
pp.545-551
発行日 2018年3月31日
Published Date 2018/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000644
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腹腔鏡下膵体尾部切除(Lap-DP)は,2012年に膵良性または低悪性度病変に対する術式として保険収載され,以後症例数が増加している1)。しかし,適応疾患が限られているため,その手術手技,術後管理については,一般には普及していないのが現状である。当科では2012 年3 月にLap-DP を導入後,計27 例のLap-DP を経験している。膵液瘻は,膵体尾部切除(distal pancreatectomy;DP)においても腹腔内膿瘍による敗血症,仮性動脈瘤による出血などの重篤な合併症につながる可能性があり,膵切離を行う際は,膵液瘻を生じることを念頭に致命的な合併症につながらないように手術時,術後に対策を講じる必要がある。本稿では,nationwide に集積されたLap-DPの成績を紹介したあと,われわれのLap-DP の成績,膵液瘻に対する対策,取り組み,とくに開腹DP と異なる点を中心に述べたいと思う。
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