特集 きいてみた! 皮膚科×各科 診療のリアル―“いまさら聞けない” を解消するQ&A―
母斑・母斑症,血管腫
乳児血管腫
形成外科医師への質問
野村 正
1
Tadashi NOMURA
1
1国立病院機構神戸医療センター,形成外科
pp.861-861
発行日 2026年6月10日
Published Date 2026/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005865
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乳児血管腫は,脈管性腫瘍(vascular tumors)に属し,胎盤絨毛膜の微小血管を構成する細胞と類似したglucose transporter-1陽性の血管内皮細胞が増殖する良性の腫瘍であり,本邦で用いられている「いちご状血管腫」と基本的に同義である1)。臨床的には,出生時には存在しないあるいは小さな発赤のみで,生後2週間程度で病変が顕在化する。病変は徐々に拡大や隆起し,生後8~12カ月くらいで増殖のピークを迎える(増殖期)。その後徐々に縮小や退色し(退縮期),最終的には血管成分はほぼ消失する(消失期)。乳児血管腫の臨床像は解剖学的な存在部位によって異なり,表在型,腫瘤型ならびに皮下型に大別される。病変の大きさによって異なるものの,一連の経過は10年を要することもある。最終的に血管はアポトーシスで減少するものの,病変の程度によってさまざまな後遺症(毛細血管拡張,皮膚萎縮,瘢痕や線維脂肪組織の残存)が残る可能性が問題とされ,極めて重篤な整容障害を生じることもある2)。その回避には,増殖期に病変を重症化させない,つまり増殖期のピークアウトをいかに早期に迎えて病変皮膚の伸展を抑え込むことが治療のポイントであり,近年では増殖期早期の治療介入が強調されている。
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