早期診断により治療が著効したFibrosing Alopecia in a Pattern Distributionの1例

Early diagnosis of fibrosing alopecia in a pattern distribution led to a successful treatment

20歳台，男性。頭部脱毛を自覚し，急速に拡大したため，発症2カ月半後に当科を受診した。頭頂部を中心に左右対称の疎毛野を認め，トリコスコピーで毛孔開口部の消失，孤立毛，毛包周囲の鱗屑・紅斑，毛幹径の大小不同を認めた。病理組織所見とあわせてfibrosing alopecia in a pattern distribution と診断した。ステロイド外用・皮内注射，ミノキシジル外用，フィナステリド内服を併用し，発症6カ月後には脱毛斑が消失した。本症は瘢痕性脱毛症であり一般に予後不良であるが，早期診断と治療により著明な改善を認めた。先行文献を参照し，臨床的・病理学的特徵，病態，治療法を概説し，本症例との比較検討を行った。