特集 プライベートパーツを診る!
第Ⅱ章 プライベートパーツ診療の実際
2.鑑別診断の実際 3)外陰部びらん・潰瘍の鑑別診断
梅林 芳弘
1
Yoshihiro UMEBAYASHI
1
1東京医科大学八王子医療センター,皮膚科
キーワード:
外陰部
,
びらん
,
潰瘍
,
表皮剝離
,
鑑別診断
Keyword:
外陰部
,
びらん
,
潰瘍
,
表皮剝離
,
鑑別診断
pp.942-951
発行日 2024年6月5日
Published Date 2024/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004632
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論文のポイント
⃝組織欠損が表皮にとどまるものが「びらん」,真皮以下に及ぶものが「潰瘍」である。欠損が浅い場合,診断を想起しなければ,臨床像のみで両者を分ける方法はない。
⃝掻破・外傷による「びらん・潰瘍」を「excoriation」といい,日本語は「表皮剝離」とされているが,「epidermal detachment」と混乱しやすい。
⃝鑑別診断において,すべての可能性を検討する総花的アプローチは,臨床の現場では有用ではない。頻度重視,重症度重視,実践重視の3つの方法を組み合わせて鑑別を進める。
⃝皮膚潰瘍に対する皮膚生検は,一般的には腫瘍,血管炎,真菌・抗酸菌感染症を疑った場合に行う。外陰部の潰瘍に対する生検の意義は,主に悪性腫瘍の診断ないし除外である。
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