Japanese
English
症例
表皮囊腫様の構造を呈した小児伝染性軟属腫の1例
Childhood molluscum contagiosum manifesting epidermal cyst-like structure
朝倉 茉由
1
,
車谷 紋乃
1
,
藤田 英樹
1
,
照井 正
1
Mayu ASAKURA
1
,
Ayano KURUMATANI
1
,
Hideki FUJITA
1
,
Tadashi TERUI
1
1日本大学医学部,皮膚科学系 皮膚科学分野(主任:照井 正教授)
キーワード:
伝染性軟属腫
,
囊腫構造
,
Feulgen反応
,
メチル緑・ピロニン染色
,
超音波検査
Keyword:
伝染性軟属腫
,
囊腫構造
,
Feulgen反応
,
メチル緑・ピロニン染色
,
超音波検査
pp.1431-1434
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002802
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9歳,男児。数週間前に左大腿前面に生じた8×8mm大の皮内〜皮下の単発性硬結を主訴に受診した。エコー上,境界明瞭な低エコー領域として描出され,後方エコーの増強を伴っていた。表皮囊腫を疑い全切除した。病理組織学的に真皮から脂肪織内に囊腫構造がみられ,囊腫壁は顆粒層を経て角化する重層扁平上皮であった。囊腫壁の大部分は肥厚し,角化細胞は細胞質内に好酸性の封入体を有して膨化していた。Feulgen反応とメチル緑・ピロニン染色の結果から封入体内にはDNAが含まれていることが示唆された。表皮囊腫様の構造を呈した伝染性軟属腫と診断した。囊腫構造を呈する単発性の伝染性軟属腫を臨床所見や超音波所見から診断することは困難と考えた。
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