巻頭言
女性皮膚科医としてのやりがい
多田 弥生
1
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座,主任教授
pp.285-286
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002426
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女性皮膚科医であったから,日本皮膚科学会のキャリア支援委員会に深く関わらせていただいていると思う。その前身が「皮膚科の女性医師を考える会」という名称であり,初代委員長の杏林大学医学部皮膚科学教室名誉教授,塩原哲夫先生の委員会に加わらせていただいたのが始まりだからである。現在のキャリア支援委員会の3本柱は「男女を問わず」,① 皮膚科学における指導的役割を担う人材の育成,② 皮膚科勤務医の就労の継続および再開の支援,③ 皮膚科医の使命感と公共心の涵養,である。これは前々委員長の広島大学の秀教授と前の委員長の川崎医科大学の青山教授が作られたコンセプトであるが,このコンセプト完成の瞬間というのは,キャリア支援委員会がはっきり,「女性だけではなく,男性も支援する委員会」であることを内外に初めて示した瞬間であった。キャリア支援委員会が「女性支援委員会」ではなく,3本柱をバランス良く実現する委員会であるという点は,声を大にして言いたく,そのイメージを転換させることは,委員会に携わる者としての重要な仕事の一つと考える。一方で,私的な事情がからんだキャリア形成にまつわる問題,というところだけに焦点を絞ると,支援の中心が女性皮膚科医になることは否定できない。
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