憧鉄雑感
第105回〈増大号〉 個人情報と臨床写真
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団 廣仁会 札幌皮膚科クリニック
pp.1879-1881
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002296
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皮膚科診療の基本は当然皮疹を注意深く観察することであり,特に希少疾患ではその形態を皮膚科専門医が情報共有する意義は大きい。しかし,個人情報保護の観点から,近年はたとえ学術利用であっても制約が課される。希少であるが故に,患者個人が特定されるリスクは低くなく,学会発表であっても電子媒体の発達は情報漏洩を完全に防ぐことを困難とした。希少疾患でなくても,写真を見ただけでその皮疹の形態から患者を推定する技は皮膚科専門医特有のものである。尤も,記憶力の滅法悪い筆者は左様な芸当などできよう筈もなく,むしろ看護師のほうが言い当ててしまい面目丸つぶれである。しかし,鉄道車両においては写真でその一部を見れば形式など一瞬でお見通しであり,要は職業選択を誤った結果であるのかもしれぬ。
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