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特集 乾癬治療の達人を目指す
総説
3.乾癬治療を整理しよう ⑥ 今後実用化が期待される開発中の新規治療薬について
3. Reviewing Current Treatments ⑥ New Drugs under Development that are Expected to be Used in the Future
佐伯 秀久
1
Hidehisa SAEKI
1
1日本医科大学,皮膚科
キーワード:
乾癬
,
tildrakizumab
,
risankizumab
,
certolizumab pegol
,
bimekizumab
Keyword:
乾癬
,
tildrakizumab
,
risankizumab
,
certolizumab pegol
,
bimekizumab
pp.1513-1516
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000966
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乾癬の病態形成に主要な役割を果たすと考えられている細胞やサイトカインと,それらの抗体である生物学的製剤の関係を図1に示す1)~3)。すでに国内で販売されている薬剤は赤色のカタカナで,現在開発中の薬剤は青色の英語で表記した。従来,乾癬はTh1細胞優位の皮膚疾患として捉えられていたが,Th17細胞が重要な働きをしていることが近年明らかとなった。ナイーブT細胞はIL-12の作用でTh1細胞に,IL-23の作用でTh17細胞に分化することが知られている。真皮樹状細胞であるTIP-DCは,Th17細胞の増殖維持に必要なIL-23を産生し,またTNFαはTIP-DC自身の持続活性化にも関与している。Th17細胞はIL-17や,表皮細胞増殖に関与するIL-22を産生し,これらが乾癬の病態形成に深く関わると考えられている。以上より,最近乾癬治療に用いられるようになった生物学的製剤が標的とするTNFα,IL-23,IL-17などのサイトカインが,乾癬の病態において重要な役割を果たしていることが理解される。
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