特集 悪性上皮系腫瘍
硬化性萎縮性苔癬を母地に発症した外陰部有棘細胞癌の1例
澤田 知佐
1
,
加納 美優
1
,
石井 貴之
1
,
八田 尚人
1
,
十河 香奈
2
1富山県立中央病院,皮膚科(主任:八田尚人部長)
2黒部市民病院,皮膚科
キーワード:
癌化
,
手術
,
前癌状態
,
p53
Keyword:
癌化
,
手術
,
前癌状態
,
p53
pp.1371-1374
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000150
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79歳,女性。3年前より排尿時痛と外陰部のびらんを認めた。大陰唇は癒着し,狭窄した腟口部に25×20mm大のびらんと白色の萎縮性局面を認めた。萎縮性局面を含めて病変部を全切除し,分層植皮を施行した。白色萎縮性局面では表皮突起は平坦化し,硬化性萎縮性苔癬の組織所見を示した。びらんの中央部では真皮内に異型細胞の胞巣が浸潤しており,両者の移行部では表皮の肥厚と基底層を中心とした異型細胞の増殖を認めたことから硬化性萎縮性苔癬を母地に発生した有棘細胞癌と診断した。移行部の異型細胞はp53陽性であり,癌化のリスク評価に有用であることが示された。
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