症例報告
広角眼底観察システムを用いた強膜内陥術後に感染性眼内炎を発症した1例
石井 京子
1
,
鈴木 綜馬
1
,
大原 成喜
1
,
髙岡 秀輔
1
,
板東 将史
1
,
渡部 恵
1
1札幌医科大学眼科学講座
キーワード:
感染性眼内炎
,
広角眼底観察システム
,
シャンデリア照明併用強膜内陥術
,
infective endophthalmitis
,
wide-angle viewing system
,
chandelier-assisted scleral buckling
Keyword:
感染性眼内炎
,
広角眼底観察システム
,
シャンデリア照明併用強膜内陥術
,
infective endophthalmitis
,
wide-angle viewing system
,
chandelier-assisted scleral buckling
pp.735-739
発行日 2026年8月5日
Published Date 2026/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004762
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強膜内陥術術後に眼内炎をきたした報告は少ない。今回我々は,広角眼底観察システムを用いた強膜内陥術後に感染性眼内炎を発症した1例を経験したので報告する。患者は56歳男性,X−9日に受診した前医より右裂孔原性網膜剥離で,X−7日に札幌医科大学附属病院眼科紹介初診となった。初診時視力は右(0.2),上耳側に限局性の網膜剥離が認められた。X日に強膜内陥術を施行した。術式は,27Gのシャンデリア照明を下鼻側に設置し,広角眼底観察システムを用いて行った。排液処置は行わず,シリコーンスポンジ(#506)を上耳側に留置し,100% SF6ガスを0.3cc注入して終了した。術中合併症はなかった。X+6日目の朝の診察時に軽度な前房内炎症が出現し,夕方の診察時に前房内炎症の増悪および硝子体混濁が著明となったため,感染性眼内炎と診断し,緊急硝子体手術を行った。硝子体液培養からは,methicillin-resistant Staphylococcus epidermidis(MRSE)が検出され,薬物療法で速やかな改善が得られた。網膜剥離の再発はなく,X+1か月後の視力は右(0.3)であった。広角眼底観察システムを用いた強膜内陥術は照明用のポートを立てるため,従来の強膜内陥術よりも硝子体腔内への細菌感染を起こすリスクが高いことが予想される。広角眼底観察システムを用いた強膜内陥術を行う際には,感染性眼内炎のリスクをより念頭に置く必要があるものと考えられる。

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