特集 専門医志向者がおさえるべき眼科の知識
1 専門医志向者がおさえるべき眼病理・眼腫瘍の知識
加瀬 諭
1
1奈良県立医科大学眼科
キーワード:
病理組織診断
,
病理細胞診断
,
眼腫瘍
,
生検
,
切り出し
Keyword:
病理組織診断
,
病理細胞診断
,
眼腫瘍
,
生検
,
切り出し
pp.203-208
発行日 2026年3月5日
Published Date 2026/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004582
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病理学とは人間の疾患の原因・病態を解き明かす学問とされる。病理学は外科病理学と実験病理学に分類され,外科病理学は臨床で得られた検体を対象とする学問に対し,後者は今や蛋白や遺伝子を対象として,分子生物学的な研究を包括する。本稿でいう眼病理学(ocular pathology)は,前者の外科病理学を主眼に置くと考えられる。病理診断は,病理組織診断と病理細胞診断に分けられる。病理組織診断は採取された眼組織を眼科医がホルマリン固定し,病理組織診断依頼書とともに病理検査へ提出する1)。その後は病理部で場合によっては検体の切り出しを行い,パラフィン包埋,薄切,未染色標本を作製し,種々の染色,免疫組織化学検査を行い,病理組織診断書を作成する。術中迅速診断の場合には,ホルマリン固定せずに採取された検体を速やかに病理部へ提出し,クライオ切片を作製して,診断する。病理細胞診断は,基本的には穿刺吸引細胞診などにより採取された検体をホルマリン固定せずに病理部へ速やかに提出し,スライドグラス上で固定のうえ,各種の染色を施行し,病理細胞診断を行う。両者の相違としては,診断の結果は病理細胞診断のほうが早く出るが,どのような細胞が採取されているかを判断する検査のため,病変の背景などの情報は組織診断に比較し,大幅に限定される1)。

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