特集 抗菌点眼薬の正しい使い方
2 白内障手術周術期における抗菌薬の適正使用
子島 良平
1
1宮田眼科病院(宮崎県)
キーワード:
AMR(薬剤耐性)
,
白内障手術
,
眼内炎
,
結膜嚢減菌化療法
,
ヨード製剤
Keyword:
AMR(薬剤耐性)
,
白内障手術
,
眼内炎
,
結膜嚢減菌化療法
,
ヨード製剤
pp.399-404
発行日 2025年5月5日
Published Date 2025/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004143
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近年,抗菌薬の過剰な使用およびこれに伴う耐性菌の出現が大きな問題となっている。2012年に世界保健機関から発表されたレポート「The evolving threat of antimicrobial resistance」では抗菌薬の不適切・不必要な使用が耐性菌を生み出すリスクがあると勧告し,2015年には薬剤耐性(antimicrobial resistance:AMR)に対するアクションプランが採択された。これを受けわが国では,2016年に厚生労働省から抗菌薬の適正使用について「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」という指針が発表され,現在は2期目となる「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027)」が実施されている。この指針は普及啓発・教育,動向調査・監視などの目標に加え抗微生物剤の適正使用という目標が盛り込まれており(図1),今後は抗菌薬のより厳格な適正使用が求められる。本稿では,眼科領域で最もポピュラーな白内障手術の周術期の抗菌点眼薬についての現状と問題点について述べる。

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