特集 私の経験集 珍しい真菌の角結膜感染への対応
序論
雑賀 司珠也
1
1和歌山県立医科大学眼科学講座
pp.1387-1388
発行日 2023年12月5日
Published Date 2023/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003431
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角膜真菌症は,細菌性角膜炎と比較すると頻度は低いものの,角膜穿孔に至る重篤な症例もあり,治療に難渋する場合が多いように思います。治癒までの期間が長い場合や,実質組織の破壊の程度が強い症例では,治癒に至らしめることができた場合でも角膜実質混濁や角膜乱視の増強を原因として視機能障害が残ります。角膜真菌症を疑う場合は遅れることなく機関病院への紹介が望ましいと思われます。特に抗がん剤治療下,コントロール不良な糖尿病,副腎皮質ステロイド薬を継続中の症例や高齢者などの免疫機能の低下が疑われる患者の場合,診断が遅れることは避けなければならないと考えます。
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