特集 アイペイン:研究の最前線と日常診療
序論
雑賀 司珠也
1
1和歌山県立医科大学眼科学講座
pp.1227-1227
発行日 2025年11月5日
Published Date 2025/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004441
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角膜感覚神経の研究が活発化しているように筆者は感じています。そのなかで,「アイペイン」という新たな研究領域が創出されました。一方,他の診療科では慢性疼痛,神経障害性疼痛,痛覚変調性疼痛,あるいは中枢感作への対応が古くから論じられてきていたように思います。慢性疼痛や神経障害性疼痛などはさまざまな原因で誘発されますので,多くの診療科で治療されています。さらには,これらの管理の難しい疼痛が「不安」「抑圧」「不眠」など,精神的な影響を持つことも知られています。上記のことを眼科診療に当てはめ,さまざまな診療科のこれまでの研究成果や治療方法に関する研究結果を学ぶことが,「アイペイン」と総括される「慢性眼痛」や「神経障害性眼痛」の理解を助けてくれるかもしれません。他領域の慢性疼痛や神経障害性疼痛に関する情報はインターネットでも容易に入手できます。お時間に余裕をお持ちの読者の皆様には,これらの全身的な疼痛に関する情報に触れていただければ,眼科診療に役立つ情報が得られるかもしれません。

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