特集 わかりやすい オートファジーと眼疾患
序論
雑賀 司珠也
1
1和歌山県立医科大学眼科学講座
pp.315-315
発行日 2023年4月5日
Published Date 2023/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003081
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
「オートファジー」は自己(オート)とファジー(貪食)からの造語です。文字通り「細胞が自身の内部の構造を食して分解する」と表現できます。具体的にはオルガネラなどの細胞内成分をリソソームに送り込み分解するプロセスの総称です。その研究の歴史は1960年前後に遡ることができます。その役割は細胞内で必要とされる成分(アミノ酸など)の再利用と不要成分の除去に総括することができます。生理学的な組織恒常性の維持のみならず,悪性腫瘍,感染免疫,神経変性疾患など多くの疾患の病態形成に関係しています。2016年にわが国の大隅良典先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されたことも相まって,近年,病理病態学でのオートファジー研究がこれまでにも増して活発化してきています。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.