綜説
近視矯正手術:現状,問題点,展望など
中村 友昭
1
1名古屋アイクリニック(愛知県)
キーワード:
refractive surgery
,
LASIK
,
SMILE
,
LVC
,
Pixl
,
Inlay
Keyword:
refractive surgery
,
LASIK
,
SMILE
,
LVC
,
Pixl
,
Inlay
pp.639-646
発行日 2023年7月5日
Published Date 2023/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003187
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屈折矯正手術は,LASIK(laser in situ keratomileusis)を代表とするレーザー角膜屈折矯正手術(laser vision correction,以下LVC)と有水晶体眼内レンズ挿入術(以下Phakic IOL)とに大別される。2022年の調査によると,世界的にはLVCが63%に対しPhakic IOLは21%と,今なお標準的な術式はLVCと思われる(図1)が,近年はPhakic IOLの安全性が高まったことにより,本邦においてはPhakic IOLの需要が高まっている。これまでの日本眼科学会のガイドラインの適応基準によると,6Dまでの軽度から中等度の近視で,角膜厚や形状に問題がない限りはLVCを,6D以上の強度の近視にはPhakic IOLとなっているが,Kamiyaらによる調査報告1)により最新のガイドライン2)では緩和され,3D以上の中等度の近視もPhakic IOLの慎重適応となった。実際,6D未満であればLVCは安全性とともに有効性も高く,長期にわたり安定している3)。それ以上の近視についてはPhakic IOLのほうが結果は良好である。したがって,筆者は患者からの強い要望がない限り,屈折度数により選択してよいのではと考える。
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