機器・薬剤紹介
64.読書速度測定装置MNREAD
川守田 拓志
1
1北里大学医療衛生学部視覚機能療法学
pp.383-385
発行日 2023年4月5日
Published Date 2023/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003091
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読書能力に関する報告は多くあり1),代表的にはロービジョン患者への読書能評価1)や眼内レンズ矯正など治療の有効性評価などがある。読書能力の検査装置は複数存在するが,ミネソタ大学ロービジョン研究室のSteve Mansfield, Gordon Legge, Andrew Luebker, Kathryn Cunninghamによって開発されたMNREAD Acuity Chart(Precision Vision社)は,読書速度を計測することができる代表的な評価装置である(図1)1)。またこのチャートはいくつかの言語で作成されているが,日本語版MNREAD-J, Jkは,ミネソタ大学ロービジョン研究室と東京女子大学の小田浩一との共同研究によって開発された2)。この評価装置の指標は,最大読書速度,臨界文字サイズ,読書視力,そして最近報告されたReading Accessibility Index(ACC)がある(図2)3)。最大読書速度は文字サイズが最適な場合に読める最大速度であり,臨界文字サイズは最大読書速度で読める最小の文字サイズ,読書視力は何とかぎりぎり読むことができる文字サイズである。これらいずれの指標においても加齢変化があり,ロービジョン患者でなく健常者においても特に40歳からの読書能力の低下が起こる3)。また乱視や多焦点眼内レンズの読書速度など,視力だけではない視覚の質に関する評価が可能なこともこの評価装置の有用性のひとつである4)5)。
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