特集 正常眼圧緑内障と眼圧
3 脳脊髄圧と眼圧
野呂 隆彦
1
1東京慈恵会医科大学眼科学教室/東京都医学総合研究所視覚病態プロジェクト
キーワード:
脳脊髄圧
,
眼圧
,
篩状板圧較差
,
TLPD
,
マーモセット
,
BDNF
Keyword:
脳脊髄圧
,
眼圧
,
篩状板圧較差
,
TLPD
,
マーモセット
,
BDNF
pp.521-526
発行日 2022年6月5日
Published Date 2022/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002654
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緑内障において,眼圧を十分に下降させても一部の症例は進行することが知られている。Collaborative Normal-Tension Glaucoma Study(CNTGS)では,十分な眼圧下降治療を行った群において,約8年の経過でその約20%において緑内障が進行したと報告されている1)。また,Yokoyamaらの報告では,眼圧が15mmHg以下にコントロールされた症例群において,その約48%は−1.0dB/年以上(Humphrey field analyzer・mean deviationスロープ)の進行が認められている2)。その背景として,緑内障の発症や進行には複合的な要因が関与すると推測されており,眼圧以外にも多くの因子が報告されている3)4)(図1)。本稿では脳脊髄圧に注目し,正常眼圧緑内障(normal tension glaucoma:NTG)の発症や進行に関する最新の知見を紹介し考察してみたい。
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