特集 眼鏡の基本と処方の注意点
6 成人の眼位異常眼への眼鏡処方
松本 富美子
1
1近畿大学病院眼科
キーワード:
strabismus
,
anomalous eye position
,
diplopia
,
prism
,
optical treatment
,
spectacles
Keyword:
strabismus
,
anomalous eye position
,
diplopia
,
prism
,
optical treatment
,
spectacles
pp.439-444
発行日 2022年5月5日
Published Date 2022/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002617
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後天的に発症する複視の原因は,Ⅲ,Ⅳ,Ⅵ脳神経麻痺,Fisher症候群,甲状腺眼症などの眼球運動障害,急性内斜視,sagging eye syndrome(SES),さらに片眼の疾患や不同視のために融像が破綻した場合など各々の症例の両眼視を妨げるさまざまな原因がある。また画像診断によってSESの症例が明確になるにしたがい,高齢者では開散麻痺や外斜偏位に上下を合併している場合にはSESも疑って画像検査を行う。対称的な外直筋のSESでは開散麻痺様の内斜視をきたし,非対称の場合には回旋斜視をきたすことがある1)2)。後天的に眼球運動障害や複視を訴える場合,プリズム療法などの治療を行う前にまず神経学的疾患の検索や治療が終わった後にする必要がある。
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