特集 強度近視を治療する
6 強度近視性内斜視の手術治療
木村 亜紀子
1
1兵庫医科大学眼科学教室
キーワード:
esotropia
,
high myopia
,
strabismus
,
surgical treatment
Keyword:
esotropia
,
high myopia
,
strabismus
,
surgical treatment
pp.801-807
発行日 2018年8月5日
Published Date 2018/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000747
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強度近視性内斜視は,強度近視が原因で生じた内斜視であり,外眼筋偏位を伴い二次的にプリー異常をきたしているものという考えが一般的である。特に今回は,強度近視による眼軸の延長があり,それが原因で外眼筋の位置異常・走行異常をきたし斜視を呈したもの(英語表記ではesotropia fixus with high myopiaやheavy eye syndrome, high myopic strabismus fixusにあたる)を中心に述べる。正確には強度近視性内斜視は内下斜視を呈する。高齢で,近視の合併があり,プリー異常による斜視を強度近視性斜視に含むか,加齢性斜視(age-related distance esotropia)に含むかは意見の分かれるところであり,筆者は,眼軸の延長がLR-SRバンドの破壊をきたしたものを強度近視性,加齢により外直筋の下方移動が生じLR-SRバンドの破綻が生じ斜視をきたしたものを加齢性と区別して考えているが,実際の臨床では区別の難しい症例も存在する。斜視の原因からの分類においては,今後,新たな定義分類がなされる可能性が高く,それに従うことになると思われる。
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