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近年,省電力の目的もあり道路照明はナトリウム光源からLEDへと変換が進められている。LED道路照明について,視機能的見地からの検討は不可欠である。われわれは,今回新しく開発された反射板付LED道路照明を従来のナトリウム光源と比較した。本照明灯は,角度の広いLEDチップを多数規則的に配列し,反射板による配光制御を用い,面光源化を図ったものである。今回は光源の種類として,ナトリウム灯,反射板付LED,レンズ付LEDを比較検討した。対象は30~70歳代の17名34眼で視力,コントラスト感度,色覚について検査を行った。視力は,被験者全体において比較すると,ナトリウム灯はレンズ付LEDに比し有意に良好な視力を示したが,ナトリウム灯と反射板付LEDに統計学的有意差は認めなかった。コントラスト感度は,被験者全体において比較すると,1.5Hzではナトリウム灯に比べ,レンズ付LEDおよび反射板付LEDが有意に良好なコントラスト感度を示した。また,6.0Hzでは,ナトリウム灯に比べ,反射板付LEDが有意に良好なコントラスト感度を示した。各年齢層別に分類し比較すると,1.5Hzでは70歳代においてナトリウム灯に比べレンズ付LED,および反射板付LEDが有意にコントラスト感度が良好であった。6.0Hzでは30~40歳代おいてナトリウム灯に比べレンズ付LED,および反射板付LEDが有意にコントラスト感度が良好であった。色覚では,被験者全体において比較すると,ナトリウム灯に比べ,反射板付LEDおよびレンズ付LEDの総偏差点が有意に少なかった。また,各年齢層別に分類し比較すると50歳代,60歳代,70歳代においても,ナトリウム灯に比べ,反射板付LEDおよびレンズ付LEDの総偏差点が有意に少なかった。このことより,反射板付LEDの採用は高齢者の交通事故軽減に期待できると考えられた。
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