病院建築・25
病室の視環境—照明設計で何がたいせつか
乾 正雄
1
1建設省建築研究所
pp.85-88
発行日 1971年1月1日
Published Date 1971/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204217
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はしがき
病院は,人間の行動のうえからみても,建築的にみても,非常に複雑なものである.病院の照明,特に病室の照明は,スタッフの視的要求を満足させると同時に,患者の眼を疲れさせず,患者にここちよさを与えなくてはならない.
本稿は,病室まわりを中心として,照明の一般的原理,照度の問題,輝度やまぶしさに関連する問題などについて解説する.もちろん,病室以外の照明にも取り上げるべき点は多いが,病室はスタッフと患者の接点をなし,しかも患者が非常に長い時間をそこで過ごすという意味で,病院照明の焦点であろうと思う.また,最近の発達した照明学では,ここで述べる照度や輝度の問題のほか,演色性,光の方向性,室内色彩なども重視されており,これらについても言うべきことは多い.しかし,紙数の都合もあり,ここでは問題を上の点にしぼって話をすすめることにする.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.