白内障手術のトラブルシューティング
6.前嚢切開
田中 才一
1
,
住岡 孝吉
2
1和歌山県立医科大学くろしお寄付講座
2和歌山県立医科大学眼科学講座
pp.879-885
発行日 2020年9月5日
Published Date 2020/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001799
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超音波水晶体乳化吸引術(PEA)では,連続円形切開(continuous curvilinear capsulorrhexis:CCC)を完遂していることが手術成績を左右すると言っても過言ではない。完遂していないと,CCC断端の亀裂部分から後嚢にまで亀裂が及び,硝子体が脱出したり,あるいは,亀裂の拡大を防ぐことに気を取られ,PEA操作が困難になったりすることで,後嚢破損を起こしてしまうこともあり得る。眼内レンズの嚢内固定ができたとしても,嚢の亀裂部分に支持部がくることで,中心固定が得られないこともある。長期的には嚢収縮が均等に起こらず,眼内レンズの偏心をきたすことも想定される。
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