特集 第1部 最近の眼科薬物治療 Ⅶ.神経眼科疾患
1 特発性視神経炎(抗AQP4抗体陽性,CRIONを除く)
前久保 知行
1
1眼科三宅病院(名古屋市)
キーワード:
ステロイド治療
,
神経保護作用
,
再ミエリン化
Keyword:
ステロイド治療
,
神経保護作用
,
再ミエリン化
pp.1159-1164
発行日 2019年9月30日
Published Date 2019/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001378
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視神経炎は視神経における炎症性疾患であり,その主体は髄鞘抗原を標的とする自己免疫性障害と考えられ,脱髄性視神経症と推定されている1)。障害の部位により乳頭腫脹を伴う前部視神経炎と急性期には乳頭変化を生じない球後部における炎症である球後視神経炎に分類される。視神経炎の原因としては多発性硬化症(MS)や視神経脊髄炎(NMO),結核や梅毒などの感染性,サルコイドーシス,全身性エリテマトーデス(SLE),シェーグレン(Sjögren)症候群などさまざまな原因が挙げられ,原因の特定ができないものは特発性視神経炎とされる。特発性視神経炎を含む特定の臨床的特徴を示すものは典型的視神経炎としてまとめられる。近年,アクアポリン4(AQP4)に対する抗体である抗AQP4抗体やミエリンオリゴデンドロサイトグリコプロテイン(MOG)に対する抗体である抗MOG抗体の視神経炎に対する関与の解明が進んでいる。典型的視神経炎に含まれない視神経炎は臨床経過や治療方針の違いなどから非典型的視神経炎として区別される。
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