特集 第1部 最近の眼科薬物治療 Ⅵ.眼瞼・眼窩
1 特発性眼窩炎症
澤村 裕正
1
1東京大学医学部眼科学教室
キーワード:
眼窩炎症
,
画像診断
,
ステロイド投与
Keyword:
眼窩炎症
,
画像診断
,
ステロイド投与
pp.1139-1145
発行日 2019年9月30日
Published Date 2019/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001375
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
特発性眼窩炎症は眼窩部および眼付属器に生じる良性の非特異的炎症疾患であり,原因不明なことが多い1)。比較的まれな疾患であり,眼窩腫瘍性病変の約1割が該当すると報告されている2)。片側性が多いものの,両側性にも発症する。炎症は涙腺,外眼筋,眼窩全体,眼瞼,視神経周囲など多岐に及ぶ3)。そのため,呈する臨床像もさまざまであり,眼窩痛,眼瞼・眼窩部の腫脹,球結膜充血・浮腫,複視,眼瞼下垂,眼球運動障害,眼球突出,視力低下などが出現する4)5)。好発年齢は50~60代での発症が多いものの,小児にも発症する。外眼筋に炎症を生じる外眼筋型(特発性外眼筋炎とも称される)に関しては,好発年齢がやや若年化し,20~40代とされる6)。眼窩筋炎の特徴のひとつとして再発が多いことが挙げられ,40~60%程度と報告されている4)~6)。
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.