臨床報告
病理組織学的検査でCogan’s microcystic epithelial dystrophyと診断した1例
安藤 良将
1
,
重安 千花
1
,
吉池 信哉
2
,
千葉 知宏
2
,
柴原 純二
2
,
山田 昌和
1
1杏林大学医学部眼科学教室
2杏林大学病院病理部
キーワード:
再発性角膜上皮びらん
,
上皮基底膜ジストロフィ
,
病理学組織学的検査
,
recurrent corneal erosion
,
Cogan’s microcystic epithelial dystrophy
,
histopathological findings
Keyword:
再発性角膜上皮びらん
,
上皮基底膜ジストロフィ
,
病理学組織学的検査
,
recurrent corneal erosion
,
Cogan’s microcystic epithelial dystrophy
,
histopathological findings
pp.961-966
発行日 2019年9月5日
Published Date 2019/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001322
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要 約
目的
再発性角膜上皮びらんの原因として日本では,角膜上皮のジストロフィはまれである。今回,再発性角膜上皮びらんを呈したCogan’s microcystic epithelial dystrophyと思われる症例を経験したので報告する。
症例
67歳男性。主訴は両眼の視力低下。15年来,再発性角膜上皮びらんを繰り返し,視力低下を認め近医より当科紹介。初診時の右眼視力は(0.6),左眼視力は(0.8)であった。両眼の角膜中央の上皮内に灰白色の小嚢胞状混濁,角膜形状解析で不正乱視を認めた。点眼加療の効果はなく,診断的治療目的で右眼の角膜上皮切除術を施行した。病理組織学的検査では,上皮内に小嚢胞が多発し,嚢胞の中には変性した角膜上皮細胞が取り込まれる所見がみられ,Cogan’s microcystic epithelial dystrophyを考慮する所見であった。
考按
本症例では病理組織学的検査からCogan’s microcystic epithelial dystrophyと診断することができた。
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