綜説
神経麻痺性角膜症
岡田 由香
1
1和歌山県立医科大学眼科学講座
キーワード:
三叉神経
,
神経麻痺性角膜症
Keyword:
三叉神経
,
神経麻痺性角膜症
pp.497-500
発行日 2019年5月5日
Published Date 2019/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001167
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神経麻痺性角膜症は三叉神経第1枝が障害され角膜知覚が低下し,角膜上皮障害や角膜創傷治癒遅延が惹起される極めて難治性の疾患である。その概念は古くから知られており,1824年にMagendieによって最初に報告され1),角膜の構造と機能の維持に三叉神経などの神経系が重要な役割を演じていることが知られている2)。神経麻痺性角膜症の発症機序は十分解明されていないが,三叉神経が障害されることで,角膜上皮細胞の代謝や細胞増殖が低下し,結果として透過性が増大することで,細胞間接着が障害され,創傷治癒遅延が起こると考えられている。
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