機器・薬剤紹介
23.実用視力計AS-28(興和)
海道 美奈子
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
pp.161-166
発行日 2018年2月5日
Published Date 2018/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000569
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実用視力は時間軸を加味した視力検査で,ドライアイの視機能を評価する方法として提案された。開発当初は特別な測定機器はなく,開瞼直後と一定時間瞬目を抑制した状態での視力を比較することで涙液状態を反映した視機能を評価した1)。その後,経時的視力変化を自動測定できる実用視力計が開発され,視力変化を容易に測定できるようになった2)。ドライアイでは開瞼に伴い涙液状態が悪化する,すなわち視力は低下するが改善しないという考えより初期モデルでは視力の低下のみに着目した視標提示システムとなっていた。つまり,誤答により視力は低下するが正答しても改善しないというシステムである。しかし,視力は必ずしも低下する一方ではないことから,次世代モデルでは解答の正誤により表示視標は大きくなったり小さくなったりするように改良され,より正確に視力変化を測定することができるようになった。また,視力維持率という評価項目ができ,視力レベルの異なった症例の実用視力を比較することが可能になった3)。瞬目の測定は手動である。
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