綜説
眼血流が示す全身状態
柴 友明
1
,
高橋 真生
2
1東邦大学医療センター大森病院眼科
2東邦大学医療センター佐倉病院循環器センター
キーワード:
動脈硬化
,
眼血流
,
レーザースペックル・フローグラフィ
,
動脈硬化性疾患
Keyword:
動脈硬化
,
眼血流
,
レーザースペックル・フローグラフィ
,
動脈硬化性疾患
pp.1485-1492
発行日 2017年11月5日
Published Date 2017/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000211
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古くから我々眼科医は,心・脳血管病の発症予防のために眼底検査を行い,網膜血管の状態をScheie 氏分類,Keith-Wagener 氏分類等を用いて評価し,内科医や循環器医に還元してきた。しかしながら近年,心・脳血管病との関連性について眼底所見の影は薄くなっている傾向がある。我々はこの歴史的背景に基づく医療連携の重要性に再度着目し,循環器センターと共同臨床研究を行った。そして新たな定量的眼底血管評価方法として,眼血流に着目した。人体で行える眼血流測定法のなかで,我々はレーザースペックル法であるレーザースペックル・フローグラフィ(laserspeckle flowgraphy:LSFG)を用いて種々の全身状態の評価を行い,眼血流の評価は全身状態の把握に重要な意味があることを見出した。本稿では,眼血流が表現する全身状態について我々がLSFGを用いて得た知見を中心に①末梢(体)血管抵抗,②動脈硬化(大血管機能),③疾患(糖尿病,冠動脈疾患)の観点から述べたい。
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