特集 水疱症・膿疱症
足趾の爪病変で診断し、足底板使用にて管理良好な栄養障害型表皮水疱症
新井 円
1
,
高山 かおる
,
中野 創
,
横関 博雄
1弘前大学 大学院医学研究科皮膚科学講座
キーワード:
PCR法
,
爪疾患
,
足指
,
変異
,
表皮水疱症-栄養障害型
,
足底板
Keyword:
Nail Diseases
,
Mutation
,
Toes
,
Polymerase Chain Reaction
,
Epidermolysis Bullosa Dystrophica
pp.36-37
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016149788
- 有料閲覧
- 文献概要
14歳女児。幼少時より両第1趾の爪甲が厚く、白濁していた。今回、爪の脱落、爪甲下出血を主訴に、他院にて爪白癬や厚硬爪甲として加療を受けるも改善せず、当院を受診した。数回目の受診時、左足底に拇指頭大のびらん、右膝蓋に緊満性水疱を認め、詳細な問診の結果、1歳頃より足や膝などに外傷後に水疱を形成していることが判明した。遺伝子解析の結果、VII型コラーゲン遺伝子変異が確認され、症状がない父親にも同様の変異がみられたことから、優性栄養障害型表皮水疱症と診断された。外傷予防のため、足底板を綿密に調整した結果、爪の変形は残存するものの、爪甲下出血の頻度は減少し、皮膚の水疱新生もみられなくなった。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.